ミラン2−1リバプール
長かったチャンピオンズリーグもいよいよ決勝戦。
縁起のいい白のユニフォームを当然のごとく選択したミランは、FWにジラルディーノではなくインザーギを起用。アンチェロッティも、"勝負"というものがどういうものかをよく知っている。
リヴァプールはカカ対策か、ジェラードを中央で起用してきた。
さて、試合は2年前の「
イスタンブールの奇跡」の影響からか、前後半を通じ、両者硬さのとれないギクシャクした展開に終始することになる。
特に前半パスミスが目立ったミラン。リヴァプールが押し込む展開が続く。
しかし前半終了間際、ゴール正面で得たフリーキックから意外にもミランが先制する。
ピルロが蹴ったボールが途中で
インザーギに当たってコースが変わりラッキーなゴール!
こぼれ球への準備を怠らないピッポの動きがミランに幸運をもたらした。
後半に入って、リヴァプール。
17分ジェラード、ミランDFが処理をもたついたボールを拾いGKと1対1になるもジーダのファインセーブに合い決めきれない。
23分リーセ、27分に再びジェラードとミドルを放つがわずかに枠をとらえきれず。
そして、後半37分、ミランに貴重な追加点。
カカがドリブルで駆け上がり
、インザーギに絶妙のスルー!
インザーギも1回横に走り出してから縦に抜けてボールを受けるというお手本ような動きでキーパーと1対1となると、倒れこみながらセーブを試みるレイナよりワンテンポ早くシュート!
ボールはレイナの脇をすり抜けコロコロとゴールネットへ吸い込まれていった。
ミラン2点目!
いつものように狂喜乱舞するピッポは、なんというか80年代
ロックバンドのギタリストのようでかっこいい(笑)
これで決まったか!?
そう思ったのもつかの間、すぐにリヴァプールは1点を返す!
コーナーキックからアッガーが競ったボールをファーサイドで待っていた
カイトが頭で押し込んだときには、ひょっとしてイスタンブールでのあの「2年前」の出来事がこのアテネでも再現されるのではないか!?
そんな思いを抱いた人は少なくないはずだ。
しかし、この日のリヴァプールにはそこまでの力は残されていなかった。
ロスタイム、ジェラードのミドルシュートがミランDFの壁に跳ね返され万事休す。
2−1でミランが7度目となる欧州制覇を成し遂げた。
試合内容については多少の不満も残るところだが、まあこの際あまり気にしないでおこう。
今日はなんといっても
ピッポに尽きる。
もうなんとも彼らしい2ゴールは、ある意味伝説的なゴールと言えるだろう。
そして、ミラン。
セルティック戦とかではどうなることかと危惧していたのがウソのように、準々決勝、準決勝と素晴らしい戦いぶり・・・これが伝統の強さなのかと改めて思う。
カカは10得点で見事な得点王。
この日9度目のチャンピオンズリーグ決勝を経験したマルディーニの去りゆく日がそう遠くない今、これからミラニスタは新しいミランの象徴をカカに託し歩んでいく。
written by yasutaka